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【映画】ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち【感想】

どうもお久しぶりです。

今回は2月3日に公開された映画「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」の感想をつらつらと語っていきたいと思います。

というのも、本当は吹き替え3D・字幕2Dの2回鑑賞済みなのですが、なんだかんだ感想を書きあげるタイミングがなく……。

この記事も一月くらいかけて気が向いたときに書いている始末です。そんな感想。

 

 

ネタバレに対する配慮は皆無で書いていきますので、映画鑑賞前の閲覧はお勧めしません。

 

 

 日本では2017年に入ってからの公開となった「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」はティム・バートン監督のダークファンタジーで、「バートン史上最も奇妙」なんて銘打たれていましたね。

確かにポスターの鮮やかな色使いからして、いつものバートン節が期待できそうです。

 

というわけで2D字幕で一回、3D吹き替えで一回ずつ見てきました!

個人的には3Dで見る必要は特にない作画・吹き替えは声優が豪華だが主人公ジェイクの声が最初からかっこよすぎる・日本語訳は字幕の方が好みだったので、これから見る人には2D字幕上映の方をお勧めしたいです。

 

 

物語としては、まあ、普通。といった感じ。

 

キミョかわいいと宣伝されていた子供たちはその通り、奇妙な個性を持ちつつも皆愛くるしく、ミス・ペレグリンは厳格だが優しい施設長。

主人公ジェイクは棒きれみたいな胴体に棒きれみたいな足が二本ぶっささっているといういかにもバートン作品の主人公といったシルエットで、実写だけれど絵本的なビジュアルが非常に好みでした!

 

そんな魅力的な子供達は「ループ」と呼ばれる安全の保証された屋敷で、ミス・ペレグリンに過保護なまでに守られて変わり映えしないが平穏な生活を送っている。

そのせいか、ループの性質上見た目以上にずっと年かさなはずなのに、子供達は(年少組は特に)「外の世界」へ働きかけることには消極的で、甘えん坊。

 

そこへ突然やってくるジェイクという元仲間の孫息子。

ジェイクも現実世界では冴えないごくごく普通の少年だったが、窮地に立たされることで奇妙な子供達に対して立派にリーダーシップを発揮し、悪役バロンと手下達をやっつける!

悪役を倒した後は、既に現実世界の時間の中では生きられない奇妙な子供達と、現実世界の生活・大好きな祖父を何も言わずには捨てられないジェイクは離別を余儀なくされる。

が、現実世界にケリをつけたジェイクは祖父のアドバイスを元にあちこちのループをはしごして時間を遡り、愛するエマと子供達のもとへ戻るのだった。

 

という、作品タイトルとは裏腹に子供達の成長に焦点を当てたハートフルな物語でした。

あらすじだけなら良作ですが、いかんせん子供達の人数が多い。

おかげで全員の紹介は一応なされましたが、出番に大きな差が出たのが残念でした。

メインヒロインのエマ・ジェイクのライバル的役割のイーノックに出番が集まるのは分かるのですが、能力の扱いやすさからかオリーヴ・ブロンウィン・ミラードは特に活躍が多く、逆にホレース・ヒューなんかは印象が薄い。

インパクトの強いアクションシーンにあまり参加出来ないのであれば、他での活躍をもうちょっと増やしてあげてほしかったかも。

 

また、バロンはじめ悪役が弱い。弱すぎる。

バロンなんかはミス・ペレグリンに主導権を握られる、ドアに隠れているミス・アヴォセットに気付かない、ジェイクと一対一の勝負なら間違いなく勝てただろうに余計なことをして結局味方に倒される。

エマの吐息で壁に磔にされているときも、コミカルさを押し出したせいで脅威に感じられない。

 

シリアスになりすぎず、絵本の童話的な優しいファンタジーを目指したのかもしれませんが、成長物語にするのであれば乗り越える壁にはある程度の大きさを持たせてくれないと、物足りないなと思いました。

ただ、目玉を食べるシーン以外は特別グロテスクだったり残虐だったりするシーンは無かったので、幼い子供向けの演出だとするならありなのかもしれません。

 

全体の流れとしては、敵が脅威に感じられなかったおかげで終盤はいまいち盛り上がりに欠けていたと思います。

セピア色の画面で統一されたオープニングがバツッと浜辺の映像に変わった際序盤がハイライト。

その後、ラストへ向けてゆるゆるたるんでいく展開でした。

 

映像の出来も、まあ、普通かなという感じ。

 

上の方にも書きましたが3Dで見ることを意識した画面作りは特にされておらず、3Dで見ても「ああ飛びでてるなあ」と思う程度なので、2D上映で十分です。

船が海底から浮上するシーンなんかは少し期待していたのですが、可もなく不可もなく。

映像は2Dで十二分にきれいで雰囲気もありましたから、余分にお金を払う必要はないかなと思います。

でも逆に考えると、バートン作品は色彩や小物によって作られる雰囲気だけで価値があるということですよね。私も贅沢になったもんだなあ。

 

 

ということでぱっとしない印象を抱かせる感想を書いてしまいましたが、個人的には映画館で観れたことに満足しています。

そりゃバージョン違いとは言え2回観てるんだから不満なはずがない。

なんだかんだ言ってもやっぱり味わえる雰囲気が良いですね、バートン作品は。

あとオリーヴとイーノックの関係性が個人的にとっても好みでした。

 

それからイーノックが操る人形2体の戦闘シーンが最高に光っていたと思います!!

バートン監督これからはコマ撮りダークファンタジー作品に絞ってくれてもいいのよ笑